高血圧

心臓の働きと血圧について

「血圧が高い」「血圧が低い」とは日常的によく言われていますが、血圧とはそもそも何を指すのでしょうか?心臓の働きと血圧について紹介していきます。

血圧は、心臓の収縮時に最大、拡張時に最小になる

心臓の働きと血圧
人が生命を維持していくためには、全身の細胞に酸素と栄養分を送り届ける血液の働きが必要不可欠です。血液は、心臓のポンプ機能によって動脈に送り出され、酸素と栄養分を各組織に届け、二酸化炭素と老廃物を回収して静脈から再び心臓に戻ってきます。心臓が血液を動脈に送り出すとき、心臓は収縮し、そのカによって血液は大動脈に押し出され、その後、末梢動脈へと流れていきます。この、心臓から大動脈に送り出された血液が、血管壁に加える圧力のことを「血圧」と言います。血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧があり、心臓が収縮して血液を全身に送り出すときの血圧が「収縮期血圧」と言います。一方、全身をめぐってきた血液が心臓に戻ったとき、心臓と大動脈の間にある大動脈弁が、すでに送り出した血液の逆流を防ぐために閉じ、心臓は拡張します。このときの血圧を「拡張期血圧」と言います。

血圧は生活時間帯によって変動します

健康な人でも、血圧は常に変動しており、24時間をひと区切りとするパターンで上下動を続けています。正常血圧の人では、起床とともに血圧が上昇し、日中の活動時には高い状態が続き、夜になると下がり、睡眠中に長も低くなるというパターンが一般的です。この血圧の変動を「血圧日内変動」と言います。血圧日内変動は、自律神経によってコントロールされています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は体を活動的な状態にし、副交感神経は体を休める状態にします。この相反する作用は、シーソーのようなバランスで働きます。通常、日中は交感神経が活発になり、夜間は副交感神経が優位になる事から、日中は血圧が高く、夜間は下がるという変動パターンになります。また、血圧は精神的な緊張や怒りなどの感情によっても、血圧は変動します。

血圧の呼び方

一般に「血圧」と言う場合は、収縮期血圧と拡張期血圧の両方を指します。また、収縮期血圧は、血管壁にかかる圧力が最大となることから「最大(最高)血圧」、「上の血圧」とも呼ばれ、拡張期血圧は、それが最小となることから「最小(最低)血圧」、「下の血圧」とも呼ばれます。また、血圧の測定に関しては、上腕の動脈で行うのが基本です。収縮期血圧と拡張期血圧の変動は、1秒以下の速度で絶えず繰り返されています。

脈拍と脈圧

心臓の収縮活動によって起こる血液の流れのリズムの事を「脈拍」と言います。心臓は毎分60~80回ぐらい血液を動脈に押し出しており、脈拍数もこの回数と同じになります。また、収縮期血圧と拡張期血圧の差を「脈圧」と言います。