高血圧

高血圧の原因ついて

原因がはっきりしない高血圧には、生活習慣による因子と遺伝的因子が関与します。高血圧を起こす原因を紹介していきます。

生活習慣を見直して高血圧の原因を改善

日本人の高血圧の約90%を占める本態性高血圧症は、現代医学の進歩をもってしても、発症原因をはっきりと特定できていのが現状です。しかし、多くの調査研究によって、個人が持つ遺伝的因子に、生活環境因子が重なることで、高血圧が発症すると考えられています。遺伝的因子としては、血圧調整において重要な器官である脳・中枢神経系、腎臓、心血管系、内分泌系等の異常が考えられ、それに、塩分のとり過ぎや肥満などの生活習慣因子が複雑にからんできます。両因子の関与率は、遺伝的因子50%、生活環境因子50%と考えられていますが、当然、個人差もあるので一概に「遺伝的因子があるから危険」とか「ないから安全」とは言いきれません。たしかに、両親や兄弟姉妹に高血圧症の人や心臓病をわずらった人がいると、生活環境因子が加わることで高血圧になる可能性は高まります。しかし、健康的な生活習慣を守っていると、発症率は下がります。一方、遺伝的因子がない人でも、生活環境因子が重なると、発症率が上がります。自己療養では、生活環境因子を改善していくことが、重要なポイントになります。また、遺伝的因子がある人は、生活環境因子をかかえこまないようしっかりと意識してください。

遺伝的因子による高血圧の発症率

遺伝的因子がもたらす発症率については、次のように考えられています。

①両親ともが高血圧の場合

子どもが高血圧になる確率は約50%

②両親のどちらかが高血圧の場合

子どもが高血圧になる確率は約30%

③両親のどちらもが高血圧でない場合

子どもが高血圧になる確率は、両親ともが高血圧の場合の約10分の1

遺伝的因子がある場合は、男性では20代後半、女性では30代から、生活環境因子を持たないよう注意しましょう。早めの予防対策が肝心です。

生活環境による因子(原因)

①ストレス
②塩分の取り過ぎ
③運動不足
④過度の飲酒
⑤過食による肥満
⑥カリウムやカルシウムの不足

加齢と血圧の関係

一般に、年齢を重ねるとともに血圧は上昇する傾向にあります。65歳以上の日本人のうち、約60%が高血圧です。加齢による血圧上昇は、心筋梗塞などの心血管病につながりやすいという報告があります。よって、高齢で血圧が高い人も、「年をとったから血圧が高いのだろう」ではすませないで、生活環境因子を改善しながら、血圧をコントロールすることが大事になります。なお、加齢によって血圧が上がりやすくなる年齢は、ひとによって個人差もありますが、男性は30歳以降に上昇傾向が見られ、女性は閉経以降に上昇してきます。閉経後の血圧上昇には、女性ホルモンのひとつ、エストロゲンの分泌量減少が関与していると考えられています。また、男女を問わず、若年期から血圧が高めの人は、年齢を重ねるにつれて血圧上昇が悪化しやすくなります。加齢は、すべての人に関わることであり、現在、血圧が正常智にあっても、将来的に高血圧症になるリスクは、誰にもあります。自分にあてはまる生活環境因子を、早期に改善していきましょう。