蕎麦(そば)は、めん類のなかでも、とても栄養価にすぐれた食品で、とくに、そば特有のポリフェノールであるルチンに高血圧を改善する効能があります。ルチンはビタミンCの働きを助け、血管を強化して血圧を下げ、動脈硬化や脳血管障害などを予防してくれます。また、血圧を上昇させる酵素の働きを弱める作用もあります。このルチンを、日本そばの約100倍も含んでいるのが「だったんそば」です。これは、中国の内モンゴル付近にある韃靼地方という山岳地帯で栽培されている蕎麦(そば)で、韃靼地方の少数民族には高血圧や脳血管障害の患者が極端に少ないことが知られています。また、蕎麦(そば)には、たんばく質が豊富に含まれており、なかでもレジスタントプロテインという消化・吸収されにくい成分が注目されています。体内の余分なコレステロールやブドウ糖と結びついて排出を促進し、血液をサラサラにする効果があります。現在では、だったんそばもスーパーなどで手に入りやすくなっているので、食事に取り入れるといいでしょう。ルチンを手軽に摂取できる、だったんそば茶もあります。また、ルチンは脂肪分と一緒にとると吸収がよくなるので、たまには天ぷらそばを食べるのもいいかもしれません。余分な脂肪分は、レジスタントプロテインが体外への排出を促してくれます。そばの実を米と一緒に炊いたり、ゆでて蕎麦(そば)雑炊にしたりするのも、バリエーションが増えていいかもしれません。
だったんそばは黄色みが強いが、この色がルチンの色素成分です。ゆで汁も黄色になりますが、有効成分が一部溶け出した証です。1カップほどゆで汁をとっておき、残ったつけ汁を少量入れて、うす味のそば湯で味わうとよいでしょう。減塩中のそば湯の楽しみ方としておすすめです。