乳製品(牛乳・豆乳・ヨーグルト)栄養・効果【高血圧予防法】

高血圧

血圧を下げる食品・乳製品

乳製品には良質なたんぱく質をはじめとする体にいい成分を手軽にとれる食品です。乳製品の効果について紹介していきます。

牛乳のカゼインやカルシウムが血圧を調整

牛乳・カゼイン
牛乳は、栄養価の高いたんばく質が豊富で、ビタミンやミネラルもバランス豊富に含んでおり、手軽に効率よく栄養補給ができる食品です。牛乳のたんばく質の約80%を占めるのがカゼインという成分で、体内で各種のペプチド(アミノ酸の集合体)に分解されて、さまざまな働きをします。そのひとつが、血圧を上昇させる酵素の働きを抑制する作用で、血圧調整に有効です。また、腸のぜん動運動を抑制して食べ物の滞在時間を長くし、栄養素の消化・吸収を高めます。牛乳に含まれるミネラルでは、カルシウムの働きがすぐれており、100g中110mgも含まれています。カルシウムは吸収されにくいのが難点ですが、牛乳の場合は、カゼインが吸収を促進するので、豊富なカルシウを効率よく吸収でき、血圧の調整や 骨粗鬆症の予防に働きます。また、コレステロールを減らし、腸内の有用菌を増やして免疫力を高める働きがあるラクトフエリンやガンマγ-グロブリンというたんばく質も豊富です。栄養豊富な牛乳を毎日適量飲むことは、健康維持や血圧の安定などに有効です。ただし、牛乳のカゼインには、コレステロールを増やす働きもあるので、飲み過ぎは禁物です。1日200mgが摂取量の目安です。コレステロール値が高めの人は、低脂肪乳などを利用するといいでしょう。

豆乳は高血圧にも効果的なヘルシー飲料

豆乳・栄養成分
大豆を加熱してすりつぶしたものから、おからを除いたものが豆乳で、豆乳(無調整豆乳)、調製豆乳、豆乳飲料の3種類があります。このうち、大豆の栄養成分を引き継いでいるのが豆乳です。大豆のたんばく質は水溶性であるため、豆乳にもたんばく質が豊富に含まれており、しかも必須アミノ酸8種類が、すべてバランスよく揃っています。また、ミネラルでは、高血圧予防に効果的なカリウムとマグネシウムが豊富です。カリウムは余分なナトリウムの排泄を促す働きをし、マグネシウムは血液循環をよくし、血管を強化してくれます。豆乳には2%の脂肪が含まれていますが、リノール酸、α-リノレン酸という不飽和脂肪酸なので、豆乳を1日200mg程度とる範囲内であれば、善玉のHDLコレステロールを増やし、悪玉のLDLコレステロールを減らす効果があります。また、抗酸化作用のあるビタミンEや、脂質・糖質の代謝を促すビタミンB群も含まれ、血管の老化抑制や肥満予防に効果的です。

ヨーグルトの乳酸菌が余分な脂質や糖を排出

ヨーグルト・キウイ
ヨーグルトは牛乳を発酵して作られるため、牛乳のたんばく質やミネラル、ビタミンなどをほとんど同じ様に含んでおり、ペプチドによる血圧調整効果があります。加えて、発酵の過程で乳酸菌などの有用菌が生まれ、体内環境を整えるよう働きます。乳酸菌の表面にはポリサッカライドとペプチドグリカンというネバネバした物質が付着しているため、腸内で余分なコレステロールやブドウ糖を吸着し、便として排泄します。さらに乳酸菌は、腸内に分泌される胆汁酸を分解する働きがあるので、LDLコレステロールの低下にも役立ちます。また乳酸菌は、腸内の悪玉菌の繁殖を抑えて、腸内環境をよくし、免疫力を高めたり、便秘や下痢を改善する効果もあります。ヨーグルトはポリフェノールが豊富なフルーツと一緒にとると、抗酸化作用との相乗効果でLDLコレステロール値降下率がアップします。無糖ヨーグルトに、マンゴーやキウイなどのフルーツを組み合わせるといいでしょう。