高血圧

禁煙・煙草を断つ

喫煙は、高血圧、糖質異常症とともに動脈硬化の3大危険因子です。早めに禁煙を実行しましょう。喫煙の危険と禁煙のコツを紹介していきます。

喫煙は怖い合併症を進行させる

高血圧・禁煙
たばこは体に深刻な害を及ぼします。血圧に関しては、喫煙後に血圧の急上昇が起こることが確認されています。これは、ニコチンが 交感神経や副腎髄質に作用して、昇庄ホルモンの分泌を促進し、血管が収縮するために起こります。加えて、一酸化炭素が、血液中の酸素量を減らしてしまうため、心臓がそれを補おうとして心拍数を上げて働き、さらに血圧が上がります。また、ニコチンや一酸化炭素は、血液中の遊離脂肪酸を増やして血栓をできやすくし、悪玉のLDLコレステロールの酸化を促進させます。つまり喫煙は、高血圧改善の妨げとなるだけでなく、血管をさらに傷めて、怖い合併症である動脈硬化を進め、 脳卒中や心筋梗塞の危険を高めます。そのため、高血圧の療養では禁煙が必須です。

喫煙による血圧上昇

たばこを1本吸うと、血圧は収縮期、拡張期とも10~20mHg前後上昇し、15分ほど高い状態が続きます。1日に20本以上を吸うヘビースモーカーでは、血圧上昇の状態がずっと続き、高血圧の人は当然、慢性的な循環器障害になる可能性が高まります。

危険な喫煙タイム

血圧が上昇しやすい時間帯や状態のときの一服は、血圧の急上昇を招き、発作の危険性もあります。とくに危険なのは、次の3点です。①起床時(血圧が上昇する時間帯)②怒っている時イライラしている時

受動喫煙がもたらす害も深刻

さらにタールには、40種類以上の発ガン物質が含まれ、肺ガンや喉頭癌をはじめとする癌の発症要因となっています。注意したいのは、これらの有害物質は、喫煙者本人だけでなく、周囲の人の健康をも、むしばんでいることです。喫煙者が吸う主流煙と、受動喫煙者が無意識に吸い込む副流煙を比べると、主流煙より副流煙のほうが、タールとニコチンを約3倍、一酸化炭素を約5倍多く含んでいます。この差は、喫煙者がフィルターを通して煙を吸うのに対し、受動喫煙者が煙を直接吸い込むことで生じます。喫煙が、自分だけでなく、家族や周囲の人の健康にも害を及ぼしていることを理解し、強い意志で禁煙に取り組みましょう。

禁煙のコツ

思いつきで始めると、挫折する可能性が高いです。準備を整えてスタートしましょう。

step1

心の準備&禁煙宣言

「やるぞ!」と強く思ったときが、禁煙の最高のタイミングです。
●禁煙を決意してから10日以内に始めると、成功率が高いです。
●適切な開始日を選びましょう。多忙期や年末の宴会シーズンなどは避けましょう。
●気分転換のための、趣味の時間や運動習慣をあらかじめつけておきましょう。
●家族や職場の人に「禁煙」を宣言します。紙に書いて、目のつくところに貼るのもよいでしょう。

step2

禁煙実行

スタート日も周囲に公言して始めましよう。
●禁煙のメリットをつねに頭に浮かばせます。
[メリット]高血圧改善、合併症予防、その他の生活習慣病予防、味覚・嗅覚の回復、顔色がよくなり若返る、家族に喜ばれる、たばこ代の節約など
●短期間の目標を掲げ、ひとつずつ実行します(3日単位で禁煙目標を設定するなど)。
●職場や駅の喫煙コーナーに近寄らないようにします。

step3

禁断症状への対処

禁煙開始から1~2日で体内からニコチンが消え、禁断症状が現れます。
●イライラ、集中力の低下→深呼吸やストレッチで気分転換しましょう。
●めまい、頭痛、痰の増加→深呼吸をして体を休めましょう。
●眠い、だるい→適度に運動して、昼間15分程度の仮眠をとりましょう。

step4

禁憧達成

1週間程度で禁断症状がなくなり、心身ともに落ち着いてきます。
●体が軽くなり、朝の目覚めが爽快になります。
●空気がおいしく感じられ、食欲が増してきます。(食欲増進は肥満を誘発するので、摂取カロリーには注意しましょう。)