にんにくの栽培の歴史は古く、紀元前2千年の古代エジプト王朝時代にはすでに栽培されていたという記録があります。ピラミッド建設に従事する労働者たちのスタミナ源として、にんにくが配給されていたと言われます。にんにくは小粒ながら、さまざまなパワーを秘めた野菜で、特有のにおいのもとであるアリシンが有効成分です。アリシンには抗酸化作用があり、血中のコレステロールを分解し、血液をサラサラにする効果があります。また、血管を拡張して血圧を調整し、血管壁の老化を防いで動脈硬化を予防してくれます。このアリシンがビタミンB1と結びつくと、アリチアミンというビタミンに変化しますが、これがビタミンB1の吸収を促進するので、スタミナ補給に役立ち、全身の血行をよくして、疲労回復を促進させます。また、アリシンが脂質と結びつくと、脂質アリシンという物質になり、ビタミンEと同じく血液をきれいにして血行をよくし、血管壁を丈夫にする効果になります。にんにくには、こういった高血圧を改善・予防する効果があるほか、低血圧の改善にも有効で、血圧を安定させる働きをします。最近は、アリシンに低温処理を加えたときに抽出されるアホエンという無臭成分の効果も注目されています。強い抗血栓作用やLDLコレステロール値を低下させる作用があり、脳の老化防止や活性化の効果も期待されています。