高血圧

血圧を下げる食品・海藻

海藻は血液降下に有効な成分がぎっしりつまっていて、食物繊維も豊富で低カロリーな食品です。海藻の効果について紹介していきます。

アルギン酸やラミニン等、海藻特有の有効成分が目白押し

血圧を下げる海藻
「海藻が血圧を下げる」ということは昔からよく指摘されています。いろいろな民間療法も伝わっていますが、近年の研究で、その有効成分が次々と明らかになってきました。なかでも注目されているのが、昆布やわかめ、めかぶなどに含まれるアルギン酸です。これは 水溶性食物繊維の一種で、食品中ではカリウムなどと結びついていますが、体内に入るとカリウムを放し、腸でナトリウムと結合して一緒に排泄されます。一方でカリウムが血中のナトリウムを追い出す働きをします。この2つの働きの相乗効果から、アルギン酸は、ほかの水溶性食物繊維より高血圧を改善する働きが、とくに効果的であると言われています。ほとんどの海藻に含まれるフコイダンも水溶性食物繊維の一種で、血圧の上昇を抑える効果があります。ほかに、LDLコレステロール値の低下、血糖値の上昇抑制、ガン予防、肝機能の向上、免疫力の強化など、生活習慣病全般に有効な働きが数多くある注目の成分です。てんぐさなどに含まれる食物繊維のカンテンも、高血圧の予防や改善に効果的です。また、昆布やわかめ、めかぶなどに含まれるラミニンはアミノ酸の一種で、体内で上皮細胞と結合組織をつなぎ合わせる役割をしています。血管壁を丈夫にし、高血圧や動脈硬化を予防する効果があります。

数多くの栄養成分が凝縮された海苔

栄養成分・海苔
海苔は乾燥したまま、手をかけずに食べられる手軽な食品です。その海苔には、カリウム、カルシウム、鉄といったミネラルや食物繊維のはか、ビタミンが12種類も含まれています。なかでも、抗酸化力の強いβ-カロテンやビタミンCが豊富です。また、脂質や糖質の代謝を促すビタミンB1・B2も含まれています。加えて、血液をサラサラにするEPAや、血圧上昇因子を抑えるタウリンも含まれており、これらの有効成分の総合力で血圧降下や肥満予防などに有効です。

佃煮を避け、塩分の少ない調理法で

海藻は「ミネラルの宝庫」と呼ばれるように、血圧降下作用を持つカルシウムのほか、マグネシウム、リン、亜鉛、ヨウ素などのミネラルが豊富に含まれています。とくにマグネシウムは、交感神経の興奮を鎮め、血管の拡張を促して血圧を安定させる働きをします。海藻はほとんどカロリーがないので、安心して食べられる自然のダイエット食品です。佃煮など塩分の多い食べ方を避けた調理法で、なるべく多く摂るようにしましょう。

海藻のおもな栄養素と効能

昆布

アルギン酸、フコイタン、β-カロテン、ヨウ素

わかめ

アルギン酸、フコイタン、β-カロテン、ラミニン

ひじき

フコイダン、クロム、マグネシウム、鉄、マンガン

めかぶ

アルギン酸、フコイタン、β-カロテン、ラミニン

もずく

フコイダン

アルギン酸

血圧降下、LDLコレステロール値降下

ラミニン

血圧安定

フコイタン

血圧安定、体温調整、体内酵素の活性化

マグネシウム

血圧安定、体温調整、体内酵素の活性化

ヨウ素

新陳代謝・基礎代謝の促進

ヘモグロビンの材料となる

クロム

脂質代謝促進、血糖コントロール

マンガン

糖質・脂質代謝の促進

β-カロテン

抗酸化作用