ほうれん草などの葉もの野菜や、アスパラガスなど緑の濃い野菜に多く含まれているのが、色素成分のカロテノイドです。赤い野菜に多いβ-カロテンに加え、α-カロテンも多く含まれているのが特徴です。カロテンの抗酸化力は、β・カロテンより強いと言われています。また、緑の野菜にはビタミンB群のひとつである葉酸も豊富に含まれます。この成分は「脳の栄養分」とも呼ばれており、血液の循環をスムーズにし、血圧を安定させる働きがあります。そのほか、カリウムやビタミンなどもたっぷり含まれています。ほうれん草には、カロテノイドやビタミンC、カリウムが豊富です。葉酸のほか鉄分やマンガンなど、造血作用のある成分が多いので、貧血の高い改善効果があります。小松菜の成分はほうれん草と似ていますが、カルシウムが豊富なのが特徴です。貧血や
骨租しょう症の予防に働きます。春菊に含まれるカロテノイド、ビタミンC・Eには抗酸化作用があり、豊富なカリウムがナトリウムの排泄を促します。アスパラガスには、毛細血管を拡張するアスパラギン、アスパラギン酸が含まれており、血圧を下げる働きをします。緑の野菜に含まれるこれらの成分は熱に弱いものが多いので、妙めたり、ゆでたりするときは火を通し過ぎないよう注意しましょう。
通年出回っていて手に入りやすいさやいんげんには、β-カロテン、ビタミンC、
食物繊維、カリウムなどのほか、リジンやアスパラギン酸が多く、疲労回復効果もあります。枝豆には良質なたんばく質やアミノ酸のメチオニンが含まれ、肝臓をアルコールから保護してくれるので、お酒のつまみに添えるのが理想的です。そら豆に含まれるレシチンは血栓を溶かし、肝臓に脂肪がつくのを防いでくれます。また、豊富な食物繊維が高血圧や動脈硬化の予防などに効果的です。
高血圧を改善する食事療法では、良質のたんばく源である肉を上手にとることも重要です。余分なコレステロールを体にためにくい肉の部位は、牛肉・豚肉ともに赤身部分で、赤や緑の野菜を合わせると、栄養バランスがとりやすくなります。また、付け合わせの野菜は大きく切り、あまり火を通し過ぎずに、あるモ程度のかたさを保って調理します。こうすることによって咀嚼回数が自然に増え、過食が防ぎやすくなり、肥満予防につながります。