高血圧

高血圧の治療ついて

高血圧の治療指針と降圧薬の特徴について理解しておきましょう。自己治療にあたっての心構えがとても大切になってきます。高血圧の治療について紹介していきます。

生活習慣の改善が療養の基礎。危険性に応じて薬物療法も

血圧測定と諸検査
複数回の血圧測定と諸検査によって、高血圧であると診断され、二次性高血圧症と本態性高血圧症の別がわかれば、医者による治療計画が立てられ、療養がスタートします。二次性高血圧症では、原因や症状によって手術などの外科的処置も行われます。本態性高血圧症では、生活習慣を修正する非薬物療法が不可欠となり、必要に応じて薬物療法がスタートされます。また、外科的処置が適用されない二次性高血圧症の時も、本態性高血圧症と同様の療養が行われます。療養の目的は〝高血圧から起きる合併症を予防する〃ことにあり、〝血圧を下げる〃ことが、目的達成のための方法となります。

降圧薬の特徴について

生活習慣の修正を数か月行っても、血圧が正常域に下がらない場合は、降庄薬による薬物療法がスタートされます。ここで認識したいのは、降庄薬は、血圧を一時的に下げる作用を持つ薬ではあるが、高血圧を治す薬ではない、ということです。降庄薬の服用は、高血圧が続くことによる血管の損傷を少なくし、動脈硬化の進行を抑えて合併症を予防する目的を持っていますが、高血圧を発症した根本原因を解決するものではありません。つまり、薬物療法を開始しても、生活習慣の改善を継続して取り組む必要があります。また、降庄薬は、規則的に服用することによって血圧コントロールの効果が出るものです。服用量や時間は、医師の処方をきちんと守りましょう。

生活習慣を改善すれば薬物療法の中止も可能になります。

「降圧薬は一度服用すると、一生服用しなければならない」と良く言われますが、生活習慣の修正と薬物療法を併行して行うことで、血圧が下がって正常値に安定すれば、服用を中止したり、服用量を減らしたりすることが出来ます。そのために重要なのは、食生活の改善を中心とする生活習慣の修正を徹底して行い、それを習慣化することです。また、適切な生活習慣は、ほかの生活習慣病の予防にもなります。

降圧薬を服用する際の注意

服用開始時

■高血圧治療の目的、降圧薬服用の目的、服用する薬の特徴・飲み方・副作用・市販薬を含めたほかの薬や食品(特定保健用食品を含む)との飲み合わせについて、医師から十分な説明を受けましょう。高血圧に関する冊子や薬の説明書・注意事項を渡されたら、よく読み、大切に保管しておきましょう。

服用開始後

■飲む量や時間は医師の処方に従います。家庭測定で血圧が低下したからなどの理由で、自己判断で服用量を減らしたり、服用を中止したりすると、血圧コントロールに悪影響が出てしまうので注意しましょう。
■服用を開始して数か月間は、2~3週間に一度ほど受診し、血圧コントロールの状態や薬の副作用の有無などをみてもらうようにしましょう。問題がなければ、通常、2か月おきくらいの頻度で受診でよくなる。
■家庭用血圧計での血圧測定を毎日の習慣にします。測定値を記録して受診時に持っていくと、治療計画にたいへん参考になります。
■忙しい時期や出張時などに、薬の飲み忘れないよう注意しましょう。心筋梗塞などの発作は、出張時に薬を持参するのを忘れ、服用が途絶えたことが原因で起こるケースがあります。

服用を中止する場合

■血圧が安定して下がり、主治医の判断によって服薬の中止が期待できる場合は、血圧降下の様子や季節による血管収縮の影響を考慮しながら、薬の量を少しずつ減らします。どんな場合も自己判断は絶対にしないで、医師の指示に従いましょう。生活習慣の改善も継続して行います。